リストラ、なう! 5

一年の労働日数は、二八〇日くらいだから、二年近くは十分給与をもらって休めた勘定になってしまう。

男が腹を立てるのは無理もない。

それくらいの休暇があれば、どれほど人間的な生活ができたことか。

サラリーマンに格差がつく時代となると、同じ会社に勤めていても、「ある人にとっては、本社勤務は四五歳までで、後は子会社」であり、「ある人は五〇歳まで本社で、後は会社からの縁切り」。

"定年まで勤め、子会社に天下って重役をして"という人生は雲上人たちの過去の話で、それはいまや、サラリーマンの何百人に一人の幸運という時代が来た。

一流企業でも、管理職をねらい打ちにした肩たたきで、四五歳以上の管理職の三分の一近くが、会社からの縁切りに遇っている職場が出始めている。

肩たたき後の働き口は所属の部長などの裁量次第となっていたりするが、甘い話はない。

こんな時、とりたてて専門も特技もないゼネラリストは、少数の主流派を除けば、使い捨ての危険さえある。

「使い捨ては御免でござる」と言えるにはどうすればいいのか。

今はまだ若くても、社内の人事構成をみれば、自分が社内で雲中族か、雲際族となるかどうかは見当がつくはずだ。

「使い捨ては御免でござる」…一度言ってみたいものです(笑)

リストラ、なう! 4

「会社のためと、何もかも犠牲にしてきたよなあ」男の言葉は寂しい。

今、サラリーマンを取り囲んできた戦後四〇年のルールが激変しつつあるようだ。

これまで一番保守的と思われた三菱銀行などが定期的に職員の中途採用を始め、外国人の採用さえ本格化してきた。

「寄らば大樹」と頼ったサラリーマンからみれば、年功序列、終身雇用のうまみがようやくありそうな時に、会社からのていのいい「縁切り」である。

"では、さようなら"はひどい。

社外への転出を迫られ始めたサラリーマン雲際族は、憂うつどころか、怒っているのである。

高配当で時価で評価すれば数千円する会社の持ち株を、退職時に額面で返上する伝統のあった会社で、ある社員がそれを拒否して裁判となり、結局、会社がその社員の持ち株全部を数千万円で買い取った話があった。

サラリーマンも会社から本当に袖にされた時のことを考えると、腹の立つことが多い。

二五年勤続したサラリーマンが突然、会社から退職を迫られた。

忙しい職場で、毎年有給休暇を取るのは二、三日、年間十数日間くらい残した。

合計すると、なんと約五〇〇日弱。

これはいわば、終身雇用を前提に返上してきたわけだ。

終身雇用というと日本企業の特徴ともいわれていましたものね。

ナイスなアイディア

ヒーリング 東京で自然と感情が表せるようになったが、どこか公の場所で、ひとりで笑うときは要注意だ。

挙動不審人物として、連れていかれるおそれがある。

場所がパーティ会場であっても、隅っこのほうでひとり笑っているのは、あまり正解とはいえない。

ということで、おすすめは、すでに笑っているだれかさんの側へ寄っていって、いっしょに笑うこと。

私はスーパーで、ショッピング・カートを押して歩いているときに、二人つれの買い物客がニンジンをさして笑っているのに出くわすと、すかさず側で足を止め、笑いに加わる。

私はなにも相手と同じことがおかしくて笑っているのではないが、相手は別に気にしない。

笑うためのチャンスは、絶対に逃さないこと。

あるワークショップで、ケタケタひとり笑いしながら大通りを歩くのはやめたほうがいい、と注意したとき、ある男性が勢いよく手をあげ、いい方法を思いついた、と言った。

彼いわく、ウォークマンのイヤホンだけを耳につけ、先端をポケットに入れておく。

そうすれば、笑いながら通りを歩いていても、おかしな話を聞いているんだな、ですんでしまう。

どんなやっかいな問題にも、クリエイティブな解決法があるものだが、中でもこれは上出来の部類だ。

リストラ、なう! 3

この世代にとっては、窓際族などは幸運な雲上人世代までの話で、自分たちはそれらの先輩の退職金や年金のために一生懸命働いて、気がついたら、雲中族の巻き添えをくって、出向どころか、早期退職さえ勧められている。

漢和辞典によると、高い山の雲のかかっているあたりを「雲際」というそうだが、同じ山でも、いつも雲がたちこめるあたりは、なんの因果か、上が晴れても下が晴れても展望はは開けない。

どの会社でも大量採用の世代の直後にいるのは、さしづあ、雲際に住んでいるのも同然の「雲際族、雲際人」である。

「あいつら、会社のいい時代にさんざん楽しんで、俺たちの入った頃から会社はずっと下り坂じゃないか。

経営の責任だろ。

会社の言うとおり働いてきて、どうして俺らが責任を取らなきやいけないのよ。

"退職金だ、株割り当てだ、天下りだ"、とみんなうまい汁吸っておいて、俺らの番になったら、出うだと。

食い逃げじゃあないか」乗客が聞き耳をたてている。

「俺、休暇取ったか。

病気の時以外、一年に二、三日休んだだけじゃないか。

年休だけでもこれまで、二〇〇~三〇〇日は献上したんだ。

それが一週間でもだめだと……」「そんなこといっても、会社を離れてはやれませんからね」同僚が、やっと小声で口を開いた。

本当に、心中お察しします…という感じですね。

リストラ、なう! 2

あすからでも出勤してほしいのに、事態が分かっていませんね」と、一蹴されたことである。

戦後に高度成長して膨張した企業は、それぞれの企業の発展期に、安くて質の良い労働力を求めて、同年齢の新卒を大量に抱えた。

これがやがて、社内の従業員構成の中で奴凧の両腕のように突き出し、人事を厚い雲のように覆っている。

この雲の中に飛び込んでしまった社内の団塊の世代は中年になり、「こんなはずではなかった」と嘆いている。

上をみても、下をみても、視界ゼロ、五里霧中である。

自分が救いようもない雲の中にいる、それどころか、自分が雲そのものの存在なのに気づかざるをえない。

「雲中族」である。

幸運にも少しばかり早く入社し、この雲の上で大量の部下を使える社内の団塊の世代の少し上の連中は、さしづめ雲上人で、能力がなくても時世がよくて順調にいっている。

悲惨なのは、この雲中集団の下で黙々と働いてきた"雲の下"の世代、とりわけ、入社が二、三年遅れた、雲中族の直後、その際にいる世代である。

大量の先輩にこき使われ、そのあげく企業のいろんなツケを回されている。


団塊の世代とバブル世代の中間、というところでしょうか。この世代はなかなか苦しいと思います。

リストラ、なう! 1

今や、不景気でリストラが普通になってきました。

あるサラリーマンの話です。

夜、一〇時過ぎの郊外電車。

酔った男が連れの男に幾度となく同意を求めている。

「信用できないよ、会社は。

あの部長は裏で何をやっているか分からん。

お前も気をつけろ」連れの男も酔っている。

「俺も出るよ。

すぐ出されるよ。

だから、また飲もうよ」乗客の大半はサラリーマンで、酒の入った者も、疲れた残業帰りの顔もある。

二人の会話が車内に響き、ある者は目をつぶり、ある者は天井を見ながら、みなそれぞれに聞いている。

男に子会社への"出向辞令"が出たのだ。

"本社で部長代理くらい……、このまま本社で部長をねらえるか"という矢先のことで、子会社での役職ははっきりしない。

「これはていのいい、お払い箱だよ。

子会社で肩をたたくつもりだ」サラリーマンに厳しい冬の時代が来た。

これは、終身雇用、年功序列を信じて、滅私奉公してきたサラリーマンを突然、奈落に突き落とす出向、転籍、選択定年などの人事である。

円高などによる構造不況型の産業では、一時帰休、退職勧奨などはざらである。

この男をもうひとつ怒らせたのは、この出向を機会に「これから子会社で心機一転して働きたいから、この際、女房と海外旅行に行く休暇を一週間ほどほしい」という部長への頼みが、「子会社はここほゼ楽ではありませんよ。

建設業の特色 3

注文生産というものを顧客の側からみると、注文した物の引き渡しをうける前に契約にしたがって代金の一部を支払うわけですから、果たして自分の希望するような性能、品質の物が必要な期日までに得られるかどうか、大変不安ということになります。


どうしても信用できる請負業者を選んで、注文せざるを得ません。


顧客と建設業者との関係で、永年にわたる継続的取り引きにより培われた人的つながりが重視されるのも、建設取り引きにおける信用重視の結果です。


建設業では、社長や役員によるトップセールスということが営業上重要であるといわれていますが、これもまた信用を重視する建設業の1つの特色であるといえるでしょう。


建設工事の請負契約の方式としては"一括契約方式"、"単価契約方式"、"コスト・プラス・フィー方式"、"CM方式"などがあります。


しかし、日本ではほとんど一括契約方式がとられています。


一括契約方式とは、契約時に定めた請負金額は天変地異や異常なインフレなど、予め契約で定めているような事態の発生した場合以外は変更されない契約です。


発注者にとっては、発注と同時に価格が確定できるという利点があります。


しかし、建設業にとっては契約時に請負金、つまり売り値は確定するものの、コストは生産活動がまだぎなわれていないわけであるから確定しないのです。

建設業の特色 2

顧客の面でも、一般製造業と建設業とは大いに異なります。


見込み生産をおこなう製造業の顧客が不特定多数であるのに対し、注文生産を特徴とする建設業の顧客は特定されています。


特定の顧客に対し、建設経営のスタートである受注面で強く依存しています。


これが顧客との取引関係上、建設業者の立場を弱いものにしているわけです。


請負契約の中で請負者側が一方的に不利な条件におかれるような、いわゆる"請負契約の片務性"なども基本的にはこのような顧客と請負者の関係に根ざしているといえます。


需要の半分近くを官公庁の発注工事に依存しているのも建設業の特徴でしょう。


しかもこのような官需の主たる発注元が建設業の行政上の所管官庁であるということも、建設業の立場を発注者への依存性の高いものにしている一因であるといえるでしょう。


受注産業としての建設業のもう1つの特徴は、信用を重んずるということ。


多くの建設業者の社是や経営理念の中には、必ず信用の重視ということがうたわれています。


もちろん信用を重視しない事業は少ないですが、建設業の場合、特に信用ということが強調される理由は、顧客の側にそれを求める必要性が強いためです。

建設業の特色

日本の建設業ほど、自産業の説明に"特殊性"という言葉を多用する業界も珍しいでしょう。


営業、生産、組織、雇用などの面で建設業の特殊性ということが強調されます。


一体、建設業の"特殊性"とはどのようなものなのでしょうか。


以下、他産業との比較、外国建設業との比較という、2つの視座から概観してみます。


建設業は代表的な受注産業です。


一般製造業では自らが企画した商品を・自らのリスクにより見込み生産し、その後これを販売する形をとります。


生産した商品が売れるかどうか、生産者が大きなリスクを負わなければなりません。


その半面、自ら主体的に事業を進めることができますし、商品の売れ行き次第で予想以上の大きな利益を得ることができるというメリットをもっています。


これに対し、受注産業は注文生産が特徴。


注文生産では、まずはじめに顧客から工事の注文を受けます。


品質、性能、価格、納期などの注文内容は請負契約書の形で約束されます。


その後、工事を請け負った建設業者は生産活動に入り、工事を完成し、注文者に引き渡すことにより、契約関係を完了します。


一般の製造業とは逆に、販売が生産集行しているわけです。


このために作ったが売れないという販売リスクは全くありません。


しかし、顧客から注文がない限り、事業がはじまらないわけですから、顧客への依存度が高くなり自ら主体的に事業を進めることができにくいのです。


これが受身の受注産業といわれる所以です。

日本の建設業の歴史 5

このように、日本の建設業者は明治、大正、昭和の3つの時代を通じて、技術的には西欧技術の導入。


受注面では近代工業化を進める民需と官需に支えられ、成長・発展を遂げました。


その過程で多くの業者が経営形態を個人営業から企業組織へと変更しています。


竹中工務店が明治42年(1909年)に合名会社に、大正元年(1912年)には清水組が合資会社に、昭和5年(1930年)には鹿島組が株式会社になったのはその一例です。


敗戦により、日本の建設業者は外地における工事や資産をすべて失いました。


国内でも受注の減少から窮地に陥りますが、米軍関連工事や復興需要により次第に立ち直っていきます。


昭和23年の建設省設置、24年の建設業法の制定を契機に、大くの業者はアメリカの近代的経営手法を取り入れて近代的企業への脱皮を図りました。


これを支えたのが、日本経済の高度成長にもとづく建設需要の急増であったということができるでしょう。

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