野生の美しさ2
私はかつてオランダで開かれたシャクナゲ品種改良会議に出席し、ヒマラヤの野生シャクナゲのスライドを写し、講演した。
その後で、「私はハイブリッドよりスピーシスが面白い」と言ったら、たちまち反対を受けた。
「お前は最初にスピーシスを見たから、そう言うのだ」と言われたのである。
品種改良の専門家と、いわばフィールド・ナチュラリストの私とは、基本的に見方が異なっている。
自然の花の実は自然のままで、その群落の中で、まわりの雰囲気に調和した姿でこそ、その最もよい価値を表現する。
同じことは野菜 種や樹木にもあてはまる。
庭木は自然のものでなく、あくまで人工のものである。
庭木と自然の樹木を較べると、庭木はたいてい整枝、剪定され、形が整えられている。
そしてたいていの場合に低い木になっている。
公園や宮殿の庭のような場合を除いては、普通の民家には大木を植える余地はない。