野生の美しさ1
ところが、こうした野生原種を一ヵ所に集めて栽培してみると、それはまたそれなりに面白さがある。
野生原種は自然のままでこそ美しいが、ペンタキープをつかって栽培してもまた別の美しさも出てくるのだ。
花の野生原種と、その改良栽培種とがいずれが優るかという命題は「スピーシス・オア・ハイブリッド」という論争題目になっている。
スピーシスとは野生原種を意味し、ハイブリッドとは(改良種は交配されているので)雑種という意味である。
この言葉をつくったのはキングドン・ウォードというイギリスのプラント・ハンターである。
彼は前述したように、いわば最後の大プラント・ハンターであったが、野生の美しい花ばなを心ゆくまでみた体験から、野生の花の優れていることを深く感じていた。
彼はそれらの種子をイギリスに持ち帰ったのだが、その後これらの種類の改良種がイギリスにできているのを見て、野生の花との比較価値観上の疑問を提出したのである。