リストラ、なう! 3
この世代にとっては、窓際族などは幸運な雲上人世代までの話で、自分たちはそれらの先輩の退職金や年金のために一生懸命働いて、気がついたら、雲中族の巻き添えをくって、出向どころか、早期退職さえ勧められている。
漢和辞典によると、高い山の雲のかかっているあたりを「雲際」というそうだが、同じ山でも、いつも雲がたちこめるあたりは、なんの因果か、上が晴れても下が晴れても展望はは開けない。
どの会社でも大量採用の世代の直後にいるのは、さしづあ、雲際に住んでいるのも同然の「雲際族、雲際人」である。
「あいつら、会社のいい時代にさんざん楽しんで、俺たちの入った頃から会社はずっと下り坂じゃないか。
経営の責任だろ。
会社の言うとおり働いてきて、どうして俺らが責任を取らなきやいけないのよ。
"退職金だ、株割り当てだ、天下りだ"、とみんなうまい汁吸っておいて、俺らの番になったら、出うだと。
食い逃げじゃあないか」乗客が聞き耳をたてている。
「俺、休暇取ったか。
病気の時以外、一年に二、三日休んだだけじゃないか。
年休だけでもこれまで、二〇〇~三〇〇日は献上したんだ。
それが一週間でもだめだと……」「そんなこといっても、会社を離れてはやれませんからね」同僚が、やっと小声で口を開いた。
本当に、心中お察しします…という感じですね。