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2010年11月 アーカイブ

リストラ、なう! 1

今や、不景気でリストラが普通になってきました。

あるサラリーマンの話です。

夜、一〇時過ぎの郊外電車。

酔った男が連れの男に幾度となく同意を求めている。

「信用できないよ、会社は。

あの部長は裏で何をやっているか分からん。

お前も気をつけろ」連れの男も酔っている。

「俺も出るよ。

すぐ出されるよ。

だから、また飲もうよ」乗客の大半はサラリーマンで、酒の入った者も、疲れた残業帰りの顔もある。

二人の会話が車内に響き、ある者は目をつぶり、ある者は天井を見ながら、みなそれぞれに聞いている。

男に子会社への"出向辞令"が出たのだ。

"本社で部長代理くらい……、このまま本社で部長をねらえるか"という矢先のことで、子会社での役職ははっきりしない。

「これはていのいい、お払い箱だよ。

子会社で肩をたたくつもりだ」サラリーマンに厳しい冬の時代が来た。

これは、終身雇用、年功序列を信じて、滅私奉公してきたサラリーマンを突然、奈落に突き落とす出向、転籍、選択定年などの人事である。

円高などによる構造不況型の産業では、一時帰休、退職勧奨などはざらである。

この男をもうひとつ怒らせたのは、この出向を機会に「これから子会社で心機一転して働きたいから、この際、女房と海外旅行に行く休暇を一週間ほどほしい」という部長への頼みが、「子会社はここほゼ楽ではありませんよ。

リストラ、なう! 2

あすからでも出勤してほしいのに、事態が分かっていませんね」と、一蹴されたことである。

戦後に高度成長して膨張した企業は、それぞれの企業の発展期に、安くて質の良い労働力を求めて、同年齢の新卒を大量に抱えた。

これがやがて、社内の従業員構成の中で奴凧の両腕のように突き出し、人事を厚い雲のように覆っている。

この雲の中に飛び込んでしまった社内の団塊の世代は中年になり、「こんなはずではなかった」と嘆いている。

上をみても、下をみても、視界ゼロ、五里霧中である。

自分が救いようもない雲の中にいる、それどころか、自分が雲そのものの存在なのに気づかざるをえない。

「雲中族」である。

幸運にも少しばかり早く入社し、この雲の上で大量の部下を使える社内の団塊の世代の少し上の連中は、さしづめ雲上人で、能力がなくても時世がよくて順調にいっている。

悲惨なのは、この雲中集団の下で黙々と働いてきた"雲の下"の世代、とりわけ、入社が二、三年遅れた、雲中族の直後、その際にいる世代である。

大量の先輩にこき使われ、そのあげく企業のいろんなツケを回されている。


団塊の世代とバブル世代の中間、というところでしょうか。この世代はなかなか苦しいと思います。

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